君にホワイトブーケを贈ろうか
変わった、怜南は変わった。
2年前、高1のバレンタインデーからは考えられないほど良い方向に変わった。
クラスメイトとしても2年前から続く“恋人”としても嬉しかった。
けれどたまに、置いていかれるんじゃないかという気持ちになることも、ある。
「れいちゃん、卒業しても絶対会おうねえ……!」
「うん、会いたい、かえちゃん」
少しずつ、この教室からも人が減っていく。
教室の後方の怜南たちの会話が聞こえてくるくらいには、教室内のざわめきは落ち着いてきていた。
卒業式、3月1日。
大学受験が終わった人もいれば、まだ終わっていない人もいる。
俺は前者。彼女は、後者。
都内の私立大学に合格した俺と、地元の国立大学を目指す彼女。