届け、この片思い
「月菜、これ食べる?」

いつもより早くにホームルームが終わり、軽く気合を入れて渡しに行こうと立ち上がると、琴音に声をかけられた。

「え、いいの?」

「うん。友達と食べなってパパがくれたの」

そう、パカッと開けられた箱には、トリュフのような可愛いチョコレートが詰められていた。

「うわぁ!綺麗!」

「だよね!まだ私も食べてないの」

食べよう?と可愛い笑顔で言われると断れるわけが無い。
< 19 / 28 >

この作品をシェア

pagetop