天使がくれた10日間
みづき
俺と
母さんと
例の美少女。
妙な3人組をのせた車は、俺と母さんが2人で住むマンションへと向かっていった。
終始無言の俺とは正反対に、1人でしゃべり続ける母さん。
‥彼女はというと、
母さんの冗談に時たま微笑んだり、頷いたりはするものの1度も言葉を発することはなかった。
*
俺と彼女を家に送り届けると、母さんは彼女に一通り家を案内する。
彼女は物珍しそうな顔をして、あたりをキョロキョロと見回した。
「じゃ、母さん仕事あるから。あとよろしくね、透也」
「えっ、おい!ちょっと待てよ!」
後は俺任せ‥って、
そりゃないだろ!
「あ、忘れてた」
「そうだよ!俺だけ残して仕事行ってる場合じゃ‥」
「襲うなよ。襲ったら警察沙汰だからね」
母さんは一言言い残すと、無情にもさっさと家を出て行った。