天使がくれた10日間
待ち合わせ場所のカラオケにつくと、
拓が座り込んで煙草を吸っているのが見えた。
「透也!おせぇよ」
「わりぃ。リナに捕まっちゃってさ」
俺もその横に座り、ジーパンのポケットから取り出した煙草に火をつける。
「で、まだ来ねぇの?タクの呼んだ女」
「そろそろじゃねぇ?」
「まじでレベル高いんだろうな?」
「当たり前じゃん!俺が面食いなの、透也も知ってんだろ?」
確かに、
拓のつれてくる女はかわいい子が多い。
中学からずっと仲のいい拓は、俺の親友だ。
女遊びの激しい俺に、変に注意もしてこないし、むしろそんな俺を見て拓もおもしろがったりしてる。
女からすれば、
俺らなんて最低最悪ゴミ以下なんだろうけど。
なんだかんだいって、
みんないつか立ち直るし、
恋とか愛とかってそんなもんだろ?