天使がくれた10日間
「ごめんね、タク〜!」
「お、やっときた」
俺がついてからさらに5分程遅れてやってきて2人の女の子。
拓から聞いた話だと、
ロングヘアーで色白の子がユミ、
ショートカットで小麦色の肌の子がアスカというらしい。
「あ、これが例の『トウヤくん』?」
アスカが、俺に指差して拓に笑いかけた。
「そうそう。例の、100人切りの透也くん」
「100人って…話盛りすぎだろ」
…といっても、
正直、経験人数なんて覚えてない。
中3の春に童貞くんを卒業してからの3年間、
本当に数えきれないくらいの女と出会って別れた。
打った女は星の数
愛した女はおまえだけ
…って、
愛した女がいないってゆうのが俺の人生最大の悩み。
「言い寄って来る女はたくさんいるのに、彼女がいたことないってホント?」
「あ、あたしもそれ聞きたかった!」
ユミの言葉に、アスカも興味深々、という感じで話にのる。
「彼女くらいいたことあるから!」
「え〜?ホントに〜?」
「当たり前じゃん。どんなチャラ男だって人を好きになることだってあるんだよ」
…嘘だ。
でも、こうでも言っとかなきゃ女ってやつは引っ掛からない。
1回やるまでは、少しでも期待をもたせとかないと女は逃げてくから。