天使がくれた10日間
カラオケボックスの中。
トイレに行くとかでユミとアスカがいなくなったすきに、拓が俺に目配せをした。
「どっちがタイプ?」
「黒い方」
「アスカ?」
「そう、多分そんな名前のヤツ」
俺のタイプは、
人懐っこくて、頭のかるそうな明るい性格のギャル。
変に純粋なヤツだったりすると、あとからめんどくさい。
友達が出てきたり、興味のなくなった女のことで変にもめるのなんかごめんだ。
「俺はユミちゃんだな〜♪」
「俺ら、女のタイプかぶったことないよな」
「てか透也はある程度かわいくてやれりゃあ誰でもいんだろ?」
「まぁな♪」
そのとき、
トイレからユミとアスカが帰ってきた。
「あれ?2人とも歌わないの?」
そういって、さりげなく俺の隣に座るアスカ。
…どうやら、
女側の意見も俺たちの理想どおりに割れたらしい。
「透也くん、なんか歌ってよ〜」
「何がいい?」
「えっとね、エクザイル!」
…女って、
何でみんな似たようなヤツばっかりなんだろう。
ここ1週間くらいだけで、何度リクエストされたかわからないエクザイルの曲を適当に入れて、歌う。
「うま〜い♪やっぱ男はエクザイルだよね!」
そんなこと、
言われなくてもわかってる。