2私立花ヶ崎学園
「あっ!ごめんなさい!」
「あぁ…。いいよ。時間ヤバいよね。一年生?一緒じゃん。俺、初日に寝坊したんだよね。ダメだよね。」
ぶつかってしまったのは、私より少し背の高い、いかにもイケメン君って感じの子。彼の目を見た瞬間、吸い込まれそうになった。目、すごくきれい…。思わず見とれてしまう。
「あと10分じゃないか…。うわー。ねぇ、近道で行かない?昨日見つけちゃったんだよね。」
「近道…?」
「うん。」
普段の私ならついていかないだろう。絶対にすぐに断ってしまうはずだ。男子と二人っきりというのもなんか嫌だし。しかもイケメン。だけど…。今日は時間がないし。決めた。
「行ってみる。近道で。」
「じゃあ来て。」
そういうと彼は走り出した。私も追いかけるように走る。風がすぐ横を吹き抜ける。桜の花びらと一緒に、ちらちらと舞う。彼の肩につき、ゆっくりと落ちていく。春の香り。
「あの、今更って思うかもしれないけど、名前、何ですか。」
「あぁ、名前ね。そういえばまだだったね。俺、日高響。よろしく。」
「私は、浜田あかり。マネージャー科に通うけど…。」
「俺はアイドル科。」
「あいどるぅぅぅ?!」
かっこいいけど。アイドル科に通うなんて。やっぱりそうか。声もきれいだし。
「悪いのかよ。」
「そんなこと、ない。」
「そんなことあるって顔しているぞ。」
「そんなことないから。」
思わずむすっとする。初対面を疑うなんて。いやな感じ。
「アハハハハ。何その顔。可愛すぎるんだけど。一瞬ドキッとしたし。そういうの良くないよ。」
「ふふっ。ハハハ。」
私まで笑いがこみあげてくる。何なの、日高響っていう人。絶対アイドルに向いてないじゃん。でも、おもしろいかも、日高響。
「ねぇ、可愛いって何よ。」
「ここ。くぐって。気を付けて。」
「あぁ、うん。」
そこは、しゃがまないと通れなさそうな、小さすぎる道。葉っぱがついてしまいそうなくらい。制服が汚れてしまいそう。寮からだから通れるのか。アイドルになる人がこんなことやっていていいのかなぁ。今だけしかかかわることなんてないよね。不意にさみしくなる。
「ほら。ついた。」
「わぁー!」
目の前には大きな建物。お城みたいな雰囲気をもつ、この校舎。
「あぁ…。いいよ。時間ヤバいよね。一年生?一緒じゃん。俺、初日に寝坊したんだよね。ダメだよね。」
ぶつかってしまったのは、私より少し背の高い、いかにもイケメン君って感じの子。彼の目を見た瞬間、吸い込まれそうになった。目、すごくきれい…。思わず見とれてしまう。
「あと10分じゃないか…。うわー。ねぇ、近道で行かない?昨日見つけちゃったんだよね。」
「近道…?」
「うん。」
普段の私ならついていかないだろう。絶対にすぐに断ってしまうはずだ。男子と二人っきりというのもなんか嫌だし。しかもイケメン。だけど…。今日は時間がないし。決めた。
「行ってみる。近道で。」
「じゃあ来て。」
そういうと彼は走り出した。私も追いかけるように走る。風がすぐ横を吹き抜ける。桜の花びらと一緒に、ちらちらと舞う。彼の肩につき、ゆっくりと落ちていく。春の香り。
「あの、今更って思うかもしれないけど、名前、何ですか。」
「あぁ、名前ね。そういえばまだだったね。俺、日高響。よろしく。」
「私は、浜田あかり。マネージャー科に通うけど…。」
「俺はアイドル科。」
「あいどるぅぅぅ?!」
かっこいいけど。アイドル科に通うなんて。やっぱりそうか。声もきれいだし。
「悪いのかよ。」
「そんなこと、ない。」
「そんなことあるって顔しているぞ。」
「そんなことないから。」
思わずむすっとする。初対面を疑うなんて。いやな感じ。
「アハハハハ。何その顔。可愛すぎるんだけど。一瞬ドキッとしたし。そういうの良くないよ。」
「ふふっ。ハハハ。」
私まで笑いがこみあげてくる。何なの、日高響っていう人。絶対アイドルに向いてないじゃん。でも、おもしろいかも、日高響。
「ねぇ、可愛いって何よ。」
「ここ。くぐって。気を付けて。」
「あぁ、うん。」
そこは、しゃがまないと通れなさそうな、小さすぎる道。葉っぱがついてしまいそうなくらい。制服が汚れてしまいそう。寮からだから通れるのか。アイドルになる人がこんなことやっていていいのかなぁ。今だけしかかかわることなんてないよね。不意にさみしくなる。
「ほら。ついた。」
「わぁー!」
目の前には大きな建物。お城みたいな雰囲気をもつ、この校舎。