2私立花ヶ崎学園
「浜田さん。浜田さん!順番ですよ!!」
「あ…はい!!」
くすくすと笑い声が聞こえてくる。緊張もあったのかぼんやりしてしまった。
「私は、浜田あかりです。マネージャー科です。春霞市立野苺小学校(はるがすみしりつのいちごしょうがっこう)から来ました。よろしくお願いします。」
「はい。よろしくね。次、松風さん、お願いします。」
とても緊張した…。途中間違えそうになったし。女子の紹介の後、男子か…。ひそかに日高君の自己紹介を楽しみにしてしまっている自分がいる。何楽しみにしているんだろう。
「日高響です。アイドル科。花ヶ崎学園小学部から来ました。よろしくお願いします。」
へぇ。付属小学校からなのか…。ということは、小学生のころからアイドル系の勉強をしているってことだよね…。すごすぎる。そんなこと想像していなかったな。
 知らない子ばかりで、クラスの中で知っているといっていいのかわからないけど、日高君だけだ。話し相手、一人なのかな。
「ねぇ、浜田さん。同じマネージャー科だね。よろしくね。」
後ろの松風さんが話しかけてくる。髪はさらさらで、ツインテールをしている。綺麗な髪をしている。
「松風さん…だったっけ?」
「そうよ。よろしくね。あかりちゃんって呼んでもいい?そう呼びたいから。」
「いいよ。松風さんの…。」
「よかったら、小夜(さよ)って呼んで。」
分からなかったから言えなかったけど、こうやって言ってくれることがありがたい。だって、そんなに自己紹介を聞いていなかったからな。聞いている子っているんだ。
「小夜ちゃんの髪って、とってもきれいだね。」
「あかりちゃん、ありがとう。そういえば、あかりちゃんって、日高の隣なんだね。」
今、日高君のこと、日高って言った?呼び捨てって…。いくらなんでも早すぎる。
「日高のこと呼び捨てで驚いている?私、日高と小学校同じだから。日高って、かっこいいよね。同じクラスでラッキー!」
「よかったね。」
話が終わる。
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