君に溶けるまで。
『ちょっと陽加。どうしていきなり…?』

『あのね〜さっきから私より颯くんにベタベタしすぎなんじゃないの?』

『え、そんなつもりは…!?』

『と・に・か・く 颯くんは私のものになってもらうんだから!』

なにあれ… あんなの陽加じゃない…

ピピーッ! 

先生の笛の音とともに体育は終了した。

[2時間目―算数]

『うーん… 私算数苦手なんだよな〜…』

そんなことをつぶやいていると、誰かが私に向かって話しかけてきた。


その子は、鈴木 隼人(すずき はやと)だった。
いつも私のことをからかっているけど、結構頼りになる人だ。
ルールを守らずに茶髪にしているところも隼人っぽいって感じがした。


『もしかして…』

(なになに!?)

私は少しなにかに期待してしまった。

『算数できないんだ〜!!w そんなのもできないの〜?w』

『はぁ〜… あのね、苦手なだけで出来ないわけではないです〜!』

(期待した私が悪かった…)

いつも通り、私は苦手な教科でイジられた。私はそれになれているからいいんだけどね〜!

『まあ、教えてやるよ。』

『優しいじゃ〜ん!』

『やっぱやめた。 ばいば〜い。』

(まさかの照れ屋…)

なんだかんだ私は授業を終えて、休み時間へと入った。
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