君に溶けるまで。
[休み時間]

『ちょっと来て。』

颯くんにいきなり呼ばれた…! どれだけ大事な事なんだろう…

そうして私は、誰もいない階段の側に来た。

『それで、颯くんはなんで私を呼んだの?』

『渡したいものがあってさ。』

私はまたもや期待してしまった。

私の心臓が、何故かドキドキしてうるさい。これが………"恋"?

私はドキドキしながら颯くんからなにかを受け取った。

『今日は、バレンタインだろ? 女子から貰うとなんか申し訳なくてさ 俺からなんだけど、受け取ってくれる?』

私は顔が真っ赤に染まった。バレンタインで男子からなんて始めてだからだ。

『も、もちろん受け取るよ。』

『あ、あと…』

颯くんは私の耳に近寄ってささやいた。

『言っとくけど、本命だからな?』

颯くんは走って去っていった。

(なにそれ!!やっぱ私恋してる!?何故かわからないけどキュンとした!?)

顔は真っ赤どころか、湯気がたってるような感覚だった。
それくらい、キュンとした。

いつの間にかチャイム、いや、恋の始まりの鐘が鳴り、休み時間が終わった。
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