君に溶けるまで。
『あなたは、知っていたのね。私が、spyだってこと。』

『当たり前だ。俺は一流spyだからな。お前のことなんて好きでもなんでも
 ない。』

『う、嘘、でしょ…? だって、もっと一緒にいたいって… いったじゃん。』

私は膝から崩れ落ちた。 とてもショックだった。

『嘘に決まってんだろ。一緒になんていたくない!』

『嘘と分かれば殺すしか…』

『殺せると思ってんの?wお前はさっきドロケイで負けてたくせにっ!www』

『う、うるさいっ!! 私は、走っただけですぐに息が切れるんだから!…』

『言い訳か…w 何ガキっぽいことしてんだよ!w』

(どうして笑うの…?) 

私には理解できなかった。

『颯くんは…相手の気持ちを考えたことある…?』

『……は?』

『自分がやられて、"自分が笑われたら嫌だな"って想像したことないの?』

『そんなの想像しなくてもよ〜 俺は生きていけるんだよ!』

『生きていけるかもしれない。私も思ったことはあるよ。だけどね。
 その生きていく上で、相手の気持ちを考えて、想像して、自分が気遣ってあげる。 そういうことも大事だと思うよ?』

『…そんなことわかってる。 その結果、こうなってるんだから。じゃあな
 "蘭ちゃん"』

『蘭、ちゃん?』
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