あなたの側にいられたら、それだけで
8
数年後。
「お母様、手紙が届いていたって」
「ありがとう」
息子が渡してくれた手紙を開いた女性はにっこりと微笑んだ。
「お母様、すごく嬉しそう。良い知らせなの?」
まだ幼い息子が興味深そうに尋ねてくる。
「うん、とても」
女性は柔らかく微笑みながら、文面に目を走らせた。
「知り合いのご夫婦が旅先でちょくちょく手紙をくださるの。いつてもとても幸せそうで、読むだけで嬉しくなってしまうの」
「そうなんだ」
「貴方にもそのうち話してあげるわね」
女性は手紙を丁寧に畳んだ。はーいと答えた息子はもう興味を無くしたらしく、部屋を飛び出していった。
「貴方の……ご先祖の話だからね」
部屋に一人になった女性はそう呟くと、紅茶を一口飲んだ。
+FIN+
「お母様、手紙が届いていたって」
「ありがとう」
息子が渡してくれた手紙を開いた女性はにっこりと微笑んだ。
「お母様、すごく嬉しそう。良い知らせなの?」
まだ幼い息子が興味深そうに尋ねてくる。
「うん、とても」
女性は柔らかく微笑みながら、文面に目を走らせた。
「知り合いのご夫婦が旅先でちょくちょく手紙をくださるの。いつてもとても幸せそうで、読むだけで嬉しくなってしまうの」
「そうなんだ」
「貴方にもそのうち話してあげるわね」
女性は手紙を丁寧に畳んだ。はーいと答えた息子はもう興味を無くしたらしく、部屋を飛び出していった。
「貴方の……ご先祖の話だからね」
部屋に一人になった女性はそう呟くと、紅茶を一口飲んだ。
+FIN+