ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
なんだか兄弟みたいで笑そう。
「よし、髪は終わりかな」
「じゃあ、そろそろ行こ……」
「「「「「「まだ!」」」」」」
「ひゃい!」
席を立とうとしたら、みんなから怒られちゃいました。
驚いたおかげで、反射的に座り直した。
「えぇっと、次はこれだね」
京くんはそう言うと、私になにかを吹きかけてきた。
花の匂いがする……。
これって、香水かな?
それにどこかで嗅いだことがあるような……?
あぁ!
「京くん、これ私のお母さんの物じゃないの!?」
コクリと頷いた京くんに、私は血の気が引くのを感じた。
「だ、ダメだよ!怒られちゃう!」
「大丈夫、おばさん達からは許可貰ってるからね」
すかさず言う累くんに、私は顔をしかめた。
本当かなぁ。
その後も、京くんは黙々と作業を続けていった。
私に化粧をしたり、アクセサリーを付けたり。
全部お母さんの物だったんだけど……。
「完成!ほら恵。鏡見てみなよ」
京くんに勧められ、姿見の前に立って全身を見てみた。
「ふわ!」
そこには、私じゃない誰かがいた。