ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
***
「そこまで言うのは……」
ここまで言うと、颯人はオレ達にだけ聞こえるように、小声で話し始めた。
そう、オレ達が颯人に掴みかかるちょっと前のことだ。
「君達も恵ちゃんのことが好きだからだよね?」
突然そう言われて、オレ達は苺のように顔が真っ赤になった。
指先まで熱くなっているのが分かる。
「なんでそのことを知ってんだよ」
オレがボソリと呟くと、あいつは少し驚いたような顔をした。
けれど、すぐにニヤニヤと嫌な笑いを浮かべた。
なんなんだ、こいつは。
「なんでって、そんなの見ていたら普通に分かるよ。でも、君達があの子のことを好きでいても関係ないね。恵ちゃんは僕が貰う。これは、君達への宣戦布告だ」
オレ達は、多分氷のように顔を青ざめたと思う。
こいつが、本気だからだ。
「恵ちゃんにこのことを言ってみようかな。一体どんな反応をするのかな?」
させるか!
オレ達は、同時に颯人の口を塞ぐために飛びかかった。
「この野郎……」
オレ達が襲いかかっても、颯人は不敵な笑みを浮かべたままだった。