ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜





 私は恥ずかしくて、耳まで熱が伝わってきた。

 なんなら指先まで熱い。

 私は玲くんを睨むと、彼のスマホを奪い取ろうと飛びかかった。



「それ消してっ!」

「消すかよ」



 ギリギリのところで、玲くんはヒラリとかわして、スマホを俊くんに渡した。

 俊くんはスマホをキャッチすると、私に向けてヒラヒラと降って見せてきた。

 あ、煽られてる!

 悔しくて、必死になってスマホを奪い取ろうとした。

 だけど、反射神経はみんなの方が1枚上手。

 全然スマホに手が届かない。

 京くん、清くん、優くん、累くんの順番にスマホが渡され、もう一度玲くんの所に戻っていく。

 そしてさっきと同じようにスマホがみんなの手に渡っていく。



       *10分後*



 ハァハァ。ぜ、全然ダメ……。

 全然上手くいかず、私はヘトヘトになってその場にしゃがみこんだ。

 ど、どうしたら取れるの?

 私は1人で考えこんで、『う〜ん』と唸った。

 すると、玲くんが苦笑いをした。



「まぁ、オレらも同じ立場なんだけどな」




< 4 / 135 >

この作品をシェア

pagetop