ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
心配してもらっているけど、大丈夫!
私、勉強は全然ダメだけど、運動の方なら自信があるんだ。
かと言って、いきなり最高記録の10段から13段に変わるのは、ちょっとリスクがある。
私は深呼吸をしながら、跳び箱の助走位置に立った。
「よし!」
気合いを入れて、一気に私は駆け出した。
そして、ロイター板に足を乗せて、一気に跳ぶ!
「シュッ」
ストンッと、きれいにマットの上に足を乗せられた。
や、やった!最高記録、こうしん!
「す、すごいぞ。白崎!13段を跳べた奴が8人もいるなんて、オレの担当のクラスは恵まれたな!」
「チッ!」
石崎先生は褒めてくれたけど、一加ちゃんは悔しそうな顔をしていた。
なんなら、舌打ちまで……。
な、なんかごめんなさい!
「恵ちゃん、すごい!13段、これでみんな跳べたね」
清くんがとっても嬉しそうに笑って、私の手を取ってブンブンと振った。
みんなも笑っていて、つられて笑っちゃった。
「恵ちゃん。すごいね」
声のした方に振り返ると、颯人くんがニコリと笑いながら、こっちに歩いていた。