ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
普段、真剣になにかを言うような人じゃない。
だからこそ、余計に驚いた。
自分の悪いところ……。
それは、十分自覚している。
謝らないといけないのは、分かっている。
だけど、ああなったのは、みんなの様子が変だったからだ。
あの時、私はどうしたらよかったんだろう。
「お母さんは、友達の様子がおかしくなったら、どうするの?」
思わず、そんなことを尋ねた。
すると、お母さんは驚いて、難しい顔をした。
「そうね……。まぁ、1回は聞くかな?でもね」
間を置いて、いつもの笑顔に戻った。
「1回聞いて、教えてくれなかっら、聞くことをやめるわね」
「どうして!?」
思わず叫んだ。
近所迷惑になっちゃうから、慌てて口を抑えたけど……。
その様子を見て、お母さんは笑った。
ひどい。
私の不満そうな顔を見ても、無視してニコニコ笑っている。
「誰にでも、言いたくないことの1つや2つはあるじゃない?きっと、『いつかは話してくれる』と信じるのよ。時間がどうにかしてくれるわよ」
そういうものなのかな?
私だったら、今すぐにでも知りたいけどな。
心のもやもやを抱えたまま、私は残りのココアを一気飲みした。
最初よりも甘くはなくて、逆に少し苦味を感じた。