ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
そうしていると、突然みんなは、颯人くんに向かって飛びかかろうとした。
「この野郎……」
1番最初に声を漏らしたのは、玲くんだった。
目の前には、みんなが取っ組み合いをしている。
その光景に、怖くてなにもできなかった。
「ゴッ!」
教室に、鈍い音が響いた。
多分私だけじゃなく、その場にいた全員が、この光景に目を疑ったと思う。
玲くんが、颯人くんを殴っていた。
幻なんじゃないかと、何度も心の中で思った。
なんなら、ほっぺをつねった。
でも、幻なんかじゃない。
颯人くんは傷ついたほっぺを押さえて、うずくまっている。
「キャーーー!颯人様が怪我を!」
場の空気を切り裂くように、一加ちゃん達が悲鳴を上げた。
その言葉を合図に、教室がざわつき始めた。
「どうしたのっ!?」
まこ先生が一加ちゃん達の悲鳴を聞きつけたのか、慌てて教室に入って来た。
一加ちゃんから事情を聞くと、まこ先生は7人の方に振り返った。
「赤坂くん、桃山くん、黄口くん、青川くん、紫紺くん、緑村くん、時村くん。今すぐ生徒指導室に来なさい」