ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
【玲】
「遅い!」
オレ達は先生に先に帰らされて、みんなでオレの部屋に集まっていた。
それにしても、恵の帰りがとにかく遅い!
もういつもの帰り時間より、10分も遅れているぞ。
「玲、少しは落ち着け」
累はオレをなだめ始めたが、余計にイラついた。
「そうだよ、れいみん」
ニコニコ顔で笑う優に、オレはポキポキと手で鳴らして威嚇した。
優は全然怖がらなかったけど、呆れたようにため息を吐いていた。
それと同時に、京から思い切り殴られた。
「いっっっっっって!なにすんだよ」
「お前、ホントにいい加減にしなよ。次そうしたら、本気で殴るから」
京のいかりを見るに、これは本気だ。
分かってるっつうの!
オレはあいつのことを心配してるだけだっつうの!
殴られた頭を擦りながら、心の中で反論した。
「ただいま!」
かすかだが、恵の声がこの部屋にまで聞こえた。
部屋のドアを開けたままにはしているが、防音体制のついている部屋にまで聞こえるのは、かなりデカい声を出したことがわかる。