ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜





 体が一瞬軽くなったけど、すぐにぼくは手が届きそうな木の枝に捕まった。



「ハァハァ」



 さ、さすがにこの高さまで飛ぶのはかなりしんどいよ〜。

 でも同時に、ぼくの中にすごい達成感が生まれた。

 だって、まさかの2mも飛ぶことができたんだよ!

 ぼく、やっぱりみんなよりジャンプ力があったみたい!

 今度みんなに自慢しちゃおう!って、そんなこと考える前に、子猫の方を見ないとね。

 子猫の方を見ると、小刻みに震えて、すごく怯えていた。

 本当に怖かったんだなぁ。



「大丈夫だよ〜。こっちにおいで?」



 ぼくは微笑みながら、手を差し伸べた。

 子猫は最初は怯えていたけど、ゆっくりとぼくの方に来て、手の上に乗ってくれた。

 よかった。

 ぼくは子猫を落とさないように、優しく抱いた。

 その子がぼくの腕の中で丸まっているのを見ると、すっごく可愛い!

 癒される〜!

 しばらくして落ち着いたのか、子猫はぼくの手をペロペロと舐め始めた。



「フフフ、くすぐったいよ」



 笑いながら、さっと降りて子猫を降ろしてあげた。

 もう怖くないみたい。

 ゴロゴロと喉を鳴らした後、そそくさといなくなった。

 よかった。

 じゃあ、まためぐみんを探さないと。

 ぼくはそう意志を強く持って、歩き始めた。



        ***




< 78 / 135 >

この作品をシェア

pagetop