ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜





【清】



 僕は学校まで、とにかく走って走った。

 学校は、家から1番遠いところにある。

 恵ちゃんが家を飛び出してから、かなり時間が経っている。

 だから、どこか違う場所に行っている可能性も高いんだ。

 とにかく急がないと!

 走っていくにつれて、恵ちゃんがどこかに行ってしまったんじゃないかと、すごく怖い。



「つ、着いた……」



 夢中で走っていたら、いつの間にか着いた。

 荒くなった呼吸をゆっくりと整えた。

 落ち着いてくると、頭が冷静になったのか、あることを思い出した。

 この学校は、すごく広い。

 よく考えないと、時間がかかっちゃうだけだ。

 まず僕らは中等部だから、恵ちゃんは高等部の棟に行くはずがない。

 とゆーか、高等部の行き方が全く分からないって言ってたしね。

 だから、高等部の棟はバツになる。

 心の中でメモを取りながら、恵ちゃんがいる可能性がある場所を推測していった。

 推測をした結果、中等部用の音楽室・美術室・理科室・家庭科室・体育館・技術室・中庭・校庭・食堂・図書室・コンピューター室・デパート・自分達の教室。




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