ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜





 魚屋さんの田中さんは、オレを見ると笑顔になって話しかけてくれた。



「久しぶりですね。田中さん。元気そうでなによりです」

「まーな。お前も元気そうでよかった。どうした?今日はなにか買いに来たのか?それならアジがオススメだ」

「いえ、買いに来たんじゃなくて、恵を見てないですか?」



 アジを手に持つ田中さんに苦笑いを浮かべながらも、恵のことについて尋ねた。

 すると不思議そうに首をかしげる田中さん



「恵か?いや、見てないな。最近はお前達7人を見てないし……そうだ。まだ今度、他のみんなも連れて来てくれよ。サービスするぞ」

「はい。声をかけてみます」



 久しぶりに話せて、よかったと思う。

 田中さんの豪快な笑い声を聞いて、ちょっと安心する自分がいた。

 彼と離れた後、他の所にも行って、いろんな人に聞いてみた。

 だけど、みんな首を横に振るばかり。

 また、深いため息を1つ。



       ***




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