ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜





 その言葉を聞いて、みんなはニヤニヤしながら、一歩ずつ近づいて来た。

 逃げたかったんだけど、隙間なく囲まれているから、逃げる場所が見当たらなかった。

 あっと言う間に抑えつけられた。

 一応抵抗はしてみた。

 けど、1 VS 5なんて勝てるわけがないよ!

 1人がランドセルの中からコンパスを取り出しているのが分かった。

 なにをするのかさっぱり分からなくて、私は彼女を見上げる他なかった。

 そして、気づけば私の首には、コンパスで引っ掛かられて赤色に染まっていた。



        ***



 夏休みに入って私、不良みたいになったでしょ?

 あれは、もうみんなと関わって2度とあんなことになってほしくなかったからなんだ。

 だからなるべくみんなと話さず、ずっと無視をして図書館に通っていたの。

 あそこに行けば、本を読んで寂しい気持ちが紛れたからね。

 だけど夏休みを過ごしていく内に、ワガママだけど、みんなと一緒にいないのがすごく辛くなった。

 このままだと、本当に友達を失っちゃうなって思ったの。

 だから私は、夏休みが終わったと同時に元に戻ったんだ。

 ……次は今の傷のことだね。

 これは、今日の帰りの時に起こったこと。



        ***




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