ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
すると一加ちゃんは、顔を赤くした。
「お前なんなんだよ!人がこんなに優しく頼んでやったのに。許さねぇ!」
そう怒鳴ると、それを合図に他の女の子達がジリジリと詰め寄ってきた。
逃げなきゃ……。
だけど、人が多すぎて逃げるのは無理そうだ。
距離が近くなり、一斉に私に向かって飛びかかった。
何度かは避けることができたけど、距離がどんどん近くなっていくにつれて、避けるのがキツくなってくる。
ついには腕を掴まれて、動けなくなった。
「離して!」
必死に抵抗しても、人が多くて勝てる訳もなく、私は大声で叫ぶことにした。
だけどそんな私を見ても、女の子達はニヤニヤと笑っている。
しかも、私の首もとにある髪を掻き上げようとした。
や、ヤバい!
あの傷を見られる訳にはいかないよ!
必死になって体を曲げたり、しゃがむなどの抵抗をした。
だけど多人数に体を抑えられたら、動けるはずもなく……。
「一加見てよ。白崎、首に変な傷があるよ。めっちゃ面白いわ」
舞ちゃんがいち早く私の傷を見つけて、ケラケラと笑いながら一加ちゃんに報告する。