ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜
他の女の子達も、ぞろぞろと私の傷を見つけて、一斉に声を上げて笑った。
「ホントじゃん、ダッサ〜〜〜。やっぱお前は調子に乗ってるからダッサイ傷ができるんだよ」
ショックを受けた。
私、調子に乗ってるのかな?
だから、みんなに嫌われちゃうのかな……。
悲しさと辛さで、頭をうまく回らなかった。
暗い顔をした私を見て、みんなはもっと嘲笑った。
多分酷い言葉をたくさん言ったんだろうけど、全然耳に入ってこない。
「ねぇ、そこに傷はあるんならまた付けちゃおうよ。この痕は……コンパスっぽい!誰か持ってる?」
一加ちゃんの言葉を聞いて、我に返った。
そして、ゾッとして血の気が引いた。
さっきまで回らなかった頭が、ウソのように覚醒した。
「あたし、持ってるよ」
「さっすが玲菜!頼りになるね」
玲菜ちゃんはカバンからコンパスを取り出すと、一加ちゃんに渡した。
や、ヤバい!
すごく一生懸命に逃げようと抵抗した。
だけど全然振り払えなくて、一加ちゃんは不気味な笑みを浮かべながら少しずつ近づいてくる。