世界の数よりも君と一緒にいたい
「赤信号、みんなで渡れば怖くない。みたいなさ、そういうの聞いたことない?」

「いや、ない」

クラスメイトともっとコミュニケーションを交わしていたら一度は聞いたりしたのだろうか。

「まあいいや、心晴くんはないみたいだけどあたしはあるわけよ。それにかけて、犯罪も、ふたりでやれば怖くない。ということです」

「お分かり?」と顔をのぞきこんできた。

「んー、まあ、なんとなく」

「おお、さすが勉強少年。……もう青年か。さすが勉強青年!」

「ありがとうございます」

「硬いなぁ」

クククッと千世は笑った。

「良くない? ここの世界警察いないしさぁ。ふたりだけなんだし時間も止まってるんだし、バレることだってないんだから」
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