世界の数よりも君と一緒にいたい
「心晴くんがスタートの掛け声だっけ? 言ってよ」
「え、ああ……うん」
ここは“よーいドン”と言うべきか、それとも“よーいスタート”と言うべきか。
どちらも聞いたことのある僕にはどっちを使えばいいのか分からなかった。
だがまあ安定なほうをと選び抜いたこれなら。
「よーい、ドンっ」
即座に「えっ」と千世が驚いた声をしたが僕は気にもとめずに走り始めた。
なのに半分も走り終わらないうちに、さっきまで後ろにいたはずの千世に抜かされて、あっという間に差がついてしまった。
駅に到着した頃には千世は息も整っていて悔しさは増すばかり。
「まさか“よーいドン”だったとはね。あたしよーいドンなんて聞いたことなかったんだけど」
「え、じゃあ……」
「あたしはいつも“よーいスタート”だから」
僕の裏をいったか……。
くうぅ……。
悔しい。
「え、ああ……うん」
ここは“よーいドン”と言うべきか、それとも“よーいスタート”と言うべきか。
どちらも聞いたことのある僕にはどっちを使えばいいのか分からなかった。
だがまあ安定なほうをと選び抜いたこれなら。
「よーい、ドンっ」
即座に「えっ」と千世が驚いた声をしたが僕は気にもとめずに走り始めた。
なのに半分も走り終わらないうちに、さっきまで後ろにいたはずの千世に抜かされて、あっという間に差がついてしまった。
駅に到着した頃には千世は息も整っていて悔しさは増すばかり。
「まさか“よーいドン”だったとはね。あたしよーいドンなんて聞いたことなかったんだけど」
「え、じゃあ……」
「あたしはいつも“よーいスタート”だから」
僕の裏をいったか……。
くうぅ……。
悔しい。