世界の数よりも君と一緒にいたい
プロローグ
最近死にたいと思うことが多い。

親は僕を頭が良くて社会に貢献できる人にしたいらしく、わざわざ塾に入れたりといろいろ尽くしてくれた。でも僕ももう疲れてしまったのだ。

親の期待に応えるのも、弱い僕を煽って笑ってくる学校の生徒も、何もかもに疲れてきてしまう。

もうこれ以上愛想笑いを浮かべて偽った笑顔を貼り付けていたら、もう僕はもたないと思う。

ならば早く死んでしまおう。そのほうが気楽だし、親も僕にかけるお金をすべて自分に向けることができる。

僕が死んだら利点ばかりじゃないか。

と。日常の八割以上がこの考えの合わせものだ。

なのに君と会った瞬間から、考えるのは君のことに変わっていった。

好きだな、と初めての思いさえ抱いた。

君の魔法にかかってから、僕は純粋な笑みを浮かべられるようになった――
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