世界の数よりも君と一緒にいたい
「田舎ってスーパーなさすぎっ」
「だって田舎だから」
これでも僕が生まれるもっと前よりかは増えたんじゃないかと思うけど。
田舎だと若者が少なくて、一日中働ける人も少なくなり、と仕事が回らないんだろう。
「しかもさー、田舎ってジジババの集まりじゃん?」
「ちょーっと待ったーっ」
静かなここに、僕の一際大きな声が響く。
「そんな言われようはないだろ」
「ああ? 心晴くんだって田舎住んだこと……あるのか」
「え? いやでも! ジジババの集まりとかそんなんじゃないよ、田舎ってのは。僕にだって昔おばあちゃんと同じ家に住んでた時、ここには僕と同年代の子供が結構いたんだ」
今思えば友達って呼べるような関係ではなかったけれど。
同じ空間にいただけ。あの頃の僕はそれを友達だと勘違いしていたけれど、これといって一緒に遊んだり話したりするわけではなかった。
同じ空気を吸った仲。ただそれだけだ。
友達でもなんでもない。僕が一方的に名前を盗み聞き、そしてそれをお母さんに「友達ができた」と言いふらした。きっと彼らは僕の名前なんか知りもしなかっただろう。なのに勝手に名前を使われて、知りもしない相手に友達だと言われ、なんて、いい気味だ。
「だって田舎だから」
これでも僕が生まれるもっと前よりかは増えたんじゃないかと思うけど。
田舎だと若者が少なくて、一日中働ける人も少なくなり、と仕事が回らないんだろう。
「しかもさー、田舎ってジジババの集まりじゃん?」
「ちょーっと待ったーっ」
静かなここに、僕の一際大きな声が響く。
「そんな言われようはないだろ」
「ああ? 心晴くんだって田舎住んだこと……あるのか」
「え? いやでも! ジジババの集まりとかそんなんじゃないよ、田舎ってのは。僕にだって昔おばあちゃんと同じ家に住んでた時、ここには僕と同年代の子供が結構いたんだ」
今思えば友達って呼べるような関係ではなかったけれど。
同じ空間にいただけ。あの頃の僕はそれを友達だと勘違いしていたけれど、これといって一緒に遊んだり話したりするわけではなかった。
同じ空気を吸った仲。ただそれだけだ。
友達でもなんでもない。僕が一方的に名前を盗み聞き、そしてそれをお母さんに「友達ができた」と言いふらした。きっと彼らは僕の名前なんか知りもしなかっただろう。なのに勝手に名前を使われて、知りもしない相手に友達だと言われ、なんて、いい気味だ。