世界の数よりも君と一緒にいたい
「亮一くん……」
友達でもなんでもないはずの彼の名前が、ふと口をついた。
ああ、僕は今でも亮一くんを友達だと勘違いしていたのか?
「亮一?」
「ああ、いや、ちょっと昔のことを思い出してた」
「ふーん」
聞いておいてなんだその返事は。
すると千世はうーんと唸って考える素振りを見せた。
「おばあちゃん家行こっか」
「うん」
今亮一くんのことを考えていたって何にもならない。
亮一くんの話はもう忘れよう。
「おばあちゃん家はどこ?」
「えっと……こっち」
「心晴くん、走るよ」
「えっ」
「レッツ、ゴー!」
千世が僕の手をとってだんっと地面を蹴る。
だから僕も千世に続いて引っ張られながら地面を蹴りあげた。
本当のところ、千世に引きずられていたのでほぼ走っていないけれど。
景色が流れるように変わっていく。いつもの僕が見れるような世界ではない。
友達でもなんでもないはずの彼の名前が、ふと口をついた。
ああ、僕は今でも亮一くんを友達だと勘違いしていたのか?
「亮一?」
「ああ、いや、ちょっと昔のことを思い出してた」
「ふーん」
聞いておいてなんだその返事は。
すると千世はうーんと唸って考える素振りを見せた。
「おばあちゃん家行こっか」
「うん」
今亮一くんのことを考えていたって何にもならない。
亮一くんの話はもう忘れよう。
「おばあちゃん家はどこ?」
「えっと……こっち」
「心晴くん、走るよ」
「えっ」
「レッツ、ゴー!」
千世が僕の手をとってだんっと地面を蹴る。
だから僕も千世に続いて引っ張られながら地面を蹴りあげた。
本当のところ、千世に引きずられていたのでほぼ走っていないけれど。
景色が流れるように変わっていく。いつもの僕が見れるような世界ではない。