君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かい
日常
「ねぇ見てまたあの子一人でいるよ」

「友達作る気ないよね」

「そもそも名前からだめでしょ笑」


____「ほんと、氷みたいだよね」



毎日同じような生活を繰り返して、つまらない日々を過ごしてく。

今日もまた同じ。

私はいつになったら解放されるんだろうなんて
思いながら、結局は人間一生解放なんて言葉とは
無縁なのだろうと考える。

中学では人間関係や受験に追われ、終わったかと思えば高校でも似たような日々が続いていく。

受験が受かった時は嬉しかったなとぼんやりと思う。

高校を卒業できれば社会人?

何が変わるのだろう。
仕事に追われるだけでしょ、なんて冷めた考えをもつ。

私はそんなことをもんもんと思いながらいつもと
変わらない道を、歩いていた。

学校につくと教室中は騒がしくなり始めていた。

学校に行くだけでも疲れてしまう私は早々に椅子に座ってイヤホンをつけて音楽を聴きながら本を読む。

音楽を聴いて本を読むのが大好きだ。

周りの音もなくなって何も考えなくていいし、
本の世界にはいれるから。

そんなことを考えていたら至福の時間はいつのまにか終わっていつのまにか目の前にはチカがいた。

そしてチカの隣にいる佳奈が「ねーねー何の本読んでるの?笑」と小馬鹿にしたように聞いてくる。

片方のイヤホンと本を取られてしまったため奪い返そうとするが上に掲げられてしまう。

「うわっなにこの本ウケるんですけどー笑」

チカは何も言わずに私の方をじっと見ていた。

前までは仲が良かったはずの私たち。
心がチクっと痛む。

なんでこんなことをするのかと思うが、私に原因があるのだろう。
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