君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かい
外にでると空はもう暗くなっていた。

「暖、今日はありがとう。すごい楽しかった」
「僕もだよ。冷とここにこれてよかった」

本当に幸せな時間だった。
最初は心配なこともたくさんあったけれど暖と水族館に行くことができて本当に良かったと思う。

「ねえ、よかったらさ思い出に写真撮ろうよ」
水族館の中ではつい夢中になって楽しんでいて写真を撮っていなかったことに気付く。

「もちろん、いいよ」
「ありがとう。じゃあ撮るね」

撮れた写真を見てみるとそこには幸せそうな私が写っていた。暖と一緒にいる時の私はこんな顔をしているのかと改めて分かってしまう。

私はきっと、この写真を何度も眺めてはこの気持ちを思い出すのだろう。

優しくて、愛おしくて、幸せな感情。

_____私はこの日を一生忘れないだろう。

暖はその後私を家まで送ってくれた。大丈夫だよ、と言ったけれどこんな夜道だと心配だと言って結局ついてきてくれたのだ。

家につくとお父さんが暖かい笑顔で迎えてくれた。

「楽しかったか?」と聞いてくるお父さんに「うん、すっごく楽しかったよ」ととびきりの笑顔を見せて、お土産を渡した。

まだ私の心はふわふわと宙に浮いているような気分で心地よくて暖かかくて、まだ余韻が残っている。
暖と一緒にさっきまでいたんだ。

そう思うとつい私の顔がほころんだ。

こんな…こんな幸せな日々がいつまでも続けばいいなと思う。
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