君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かい
「ひとりで遊んでるの?」
声が聞こえる方を見るとそこには男の子が立っていた。

最初は同じクラスの子?と強ばっていたが、その子は少し変わった見た目をしていた。

覚えているはずなのに、姿がぼやけて見えてどんな子だったのか思い出せない。

けれど一つ覚えているのは髪色。

男の子は、皆と違って変わった色をしていて。

私はどうしても皆と違う髪の色が気になってしまい「なんで髪の毛、皆とちがうの?」と失礼なことを聞いた。

今思えばデリカシーのないことを言ったと思う。

何も考えずにそう言った私に「ははっ、この髪変だよね」と眉を下げながら男の子は答える。

「へん、?うーん、変なのかな?でも私は好きだよ、きれいだもん」
と幼い私は思ったことをすぐ口にだす。

男の子は少しびっくりしたような顔をするが「ありがとう」と頭を軽くかきながら照れたような
表情をうかべる。

「いっしょに遊ぼうよ。1人より2人の方が楽しいんだよ」と優しく笑う男の子はなんだか他の子とは少し違って。

皆私のことを嫌がるのに遊ぼうと言ってくれたのが純粋に嬉しかった。

「…うん!遊びたい」

そう言って、幼い私は時間も忘れて夕方までずっと遊んでいた。
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