君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かい
暖は朝型の人間なのかもしれないな。

私は別に夜型とか朝型とかいうわけでもないが、早く起きるのは苦手だ。
今日もアラーム音のおかげで無理やり起きたようなものだし。

どうしたらそんなさわやかな顔で朝を迎えられるのだろう。

私なんてまだ朝起きたてほやほやですみたいな顔をしているのに。

「暖って朝起きるの得意なの?」
秘訣があるなら教えてほしいものだと思い聞いてしまう。

「え?うーん、得意というより、僕多分ショートスリーパーなんだよね。睡眠が短いんだ」

ショートスリーパー。聞いたことがある。
確かロングスリーパーが長く眠って逆にショートスリーパーは短い眠りでも大丈夫という人だ。

なるほど、確かにそれなら朝早く起きることも苦ではないかもしれない。

「なるほどね、私は朝シャキッと起きられないから秘訣があるなら知りたいと思ったんだけど」
とそれなら秘訣も何もないよなと自分で言いながら変なことを聞いてるなと思う。

「んー、秘訣かは分かんないんだけど朝会いたい人のことを思い浮かべるといつもより目覚めがよくなる気がするんだ」

暖の言っている意味があまり分からず「会いたい人ってどういうこと?」と子首をかしげる。

「会いたい人のことを考えるとさ、その人に会うためにやる気がでるでしょ?」

うんうんと頷く。確かに好きな人に会えると思った日にはいつもより身なりを整えたり表情も明るくなる気がする。
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