君にありがとう【咲】
「そしたら……ね。相馬めっちゃ、悲しぞうに……してだの」
最後ら辺は涙で声が変になった。
そんな私を、詩は黙って背中をさすってくれた。
「どうじたら……いいのがな?」
詩の方を見ると、少し悩んでいるような顔をしていた。
やがて、その顔を止めると、私に向けて微笑んだ。
「あたしはさ、あんまり恋とか分かんないよ。けど、今年チョコくれないって知って、榎くんは悲しそうにしてたんでしょ?それって脈アリじゃん」
「ぞう……がな?」
「そうだよ!恋愛にうといあたしが言うんだよ?間違いない!」