君にありがとう【咲】
「どうせするつもりでしょ?」
「なんで分かるの?」
「だって、榎くん卒業後違う高校行くんでしょ?医者志望が行くような」
詩の言う通りだ。
相馬は私と違って頭がいい。
推薦で、偏差値が高い高校に行くことになっているらしい。
家は近いけど、忙しくてあまり話せなくなると思う。
だから、今年は告白したいなと思っていた。
「詩は、すごいね……」
「でしょ?詩様と呼びなさい!」
「……前言撤回」
「なんで!?」