元カレ
「…ふぅ。
トイレトイレ」

夜中、詩生里はトイレに行きたくて目を覚ました。
妊婦によくある頻尿だ。

「…あれ?」

珍しく心太がスマートフォンを握りながら眠っている。

それを見た時、詩生里は胸騒ぎがして、思わず心太が起きないようにソッとスマートフォンを心太の手から取った。

スマートフォンの電源ボタンを押すと、ラインが開いた。
それを見た瞬間、

「…え」

詩生里は言葉を失った…。

心太のそれはただの浮気ではない…。

胸がザワザワする。

「…やだ、やだ、やだ…」

詩生里はブツブツと呟きながら、トイレに行くのも忘れて、再び布団の中に入った‐。
< 21 / 38 >

この作品をシェア

pagetop