元カレ
朝、心太が目を覚ますと、詩生里は起きていたが、その目はクマが出来ている。

「おい、どうした?
ブサイクやで」

詩生里は何も言わなかった。

いつもなら、ブサイクと言うとすごく怒るのに…。

「…おはよ、シン君。
ちょっと寝れなくて…、何か言った?」

「あ…、ううん、なんもない。
っていうか、寝不足なら寝とけよ?
朝ごはんとか適当にするから」

心太の優しさに泣きそうになる。

「ありがと、シン君」

みっちゃんって誰、そう聞こうと思ったけど、怖くて聞けなかった…。

もし、好きな人と言われたら立ち直れなくなるから…。
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