サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
いつ消えてしまうか分からない蝋燭の炎を、必死に灯し続けようと努力している時。
そんな時に『恋』だの『愛』だの言ってられないということを。
我が身に降りかかって漸く気付かされた。
あの時、郁さんから別れを切り出されて、頭では分かっているのに心が追い付かなくて。
沢山の時間をかけて自分自身に言い聞かせていた。
命より大切なものはない……と。
だから、自分の恋愛感情なんて、お荷物にしかならないのだと。
それを悟るまでに一年以上の月日が必要だったけれど。
同じ環境に置かれて、漸く理解できた。
今、彼に連絡が取れなかろうが、大して問題ではない。
今、彼から離れたとしても、我慢出来るはずだ。
今、私から別れを告げたとしても……、きっと間違ってない選択だ、と。
だって、彼だって。
あの時、私と別れる選択をして、今があるのだろうから。
私にも、きっと望む形の未来があるはず……。
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その夜、帰宅した先輩に頼み込んで、数日ぶりに自宅に足を踏み入れた。
郁さんがいるかもしれないと覚悟はしていたけど、やはり仕事に追われているようで不在だった。
ダイニングテーブルの上には置き手紙が残されていて、彼が心配してくれているのが分かっただけで満足。
重責を負いながらも、ちゃんと私のことを気に留めてくれているというだけで、身に余る想いだ。
だって私は……。
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郁さん、ごめんなさい
数日前から体調を崩して、
とある場所で治療に専念しています
今はお互いにすべき事に専念しましょう
私は私で、郁さんは郁さんで
話したいことは沢山あるんですが
今は話せる体力も気力もなくて
身勝手なのは承知しています
けれど、これ以外に
心を整理する方法が見つからなくて
本当にごめんなさい
彩葉
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