サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
「航空会社のお客様満足度ランキングで、今年も一位になった」
「え?……あ、おめでとうございますっ」
「それと、羽田空港スタッフのイケメンランキングも一位になった」
「えぇ~っ?!」
「まだある。航空業界が発行してる雑誌のイチオシ機長とやらも」
「凄いですねっ!」
一気に酔いが醒めてしまった。
だって、そんな凄い話を酔いながら聞き逃したら絶対損する。
「お祝いしないとですね!」
「さっきして来ただろ」
「へ?」
「あれで十分」
優しく髪が撫でられる。
「郁さん、……欲がなさすぎですよ」
「そうか?」
「はい。もっとあーしろこーしろ言っても大丈夫ですよ?」
「フッ」
お互いに歯磨きをし終え、口元を拭うタオルを手渡す。
私は甘えるのが苦手だから言動に移せないけど、彼は違う。
確かに肉食獣のように迫って来る時もあるけれど、素っ気ないふりもするし、基本クールすぎるというか。
大人な対応をしてくれてるんだと思うけど。
それが時にじれったく感じる。
「もっと、……攻めていいのか?」
洗面台にタオルを置いた彼が、色気のある視線を向けて来た。
「っ……はいっ」
だってこんな風に甘い時間を過ごせるのは貴重だもん。
一秒でも無駄にしたくない。
「なら、そうさせて貰うな」
「……んっ?!」
開かれたままの背中のファスナーが更に下ろされた。
そして、両脇を支えるように持ち上げられた私は、化粧台のテーブルに乗せられた。
片手をついて間を詰め、煽情的な視線を滲ませた美顔が近づく。
そっと触れる唇が啄められる。
滑り込んで来た彼の舌先は、スーッと爽快感のあるミント味。
腰に添えられた指先が這い上がり、肩先に残るワンピースの布地を捲り下ろす。