その甘さ、毒牙につき【番外編】
『…もも?』
「うん、そうだよ。おはよう…!」
電話で聞くのとはまた違った感じで聞こえる。
『おはよー。入ってきて』
「はーい」
そんなやり取りをしたあと足を進めた。
エレベーターに乗り、最上階のボタンを押す。
ほんの一瞬で「チーン」という音と共に扉が開いた。
……やっぱり凄い。
非現実的な空気に飲まれながらも、瑞樹くんの家に向かう。
玄関のインターホンを押したらすぐに、また瑞樹くんの声が聞こえてきた。
『今開ける』
「ふふ、ありがとう」