その甘さ、毒牙につき【番外編】
なのに、どうして今になって「来て欲しい」なんて言うのだろう。
いや、もちろん嬉しいけどね…?
「なんで?って顔してるね」
そんな私を見透かした瑞樹くんに、苦笑で返す。
「そ、それは…うん。ダメなのかなって思ってたので…」
「不満だった?」
「え、ううん…!そんなことないよ」
少し不安そうに眉を下げる瑞樹くんを見て、慌てて否定した。
瑞樹くんに不満なんて、あるはずないのに。
ちょっとしたことでそんなふうに思う瑞樹くんが、愛おしくてたまらない。
「瑞樹くんがいれば、私は何してたって嬉しいよ」