雨女の雨野さんは忘れっぽい
6.転校生は晴れ女
今日から私は新しい高校に転校する。
どんな学校かとても楽しみで昨日は一睡もできなかった。
それくらい楽しみだった。
朝、新しい制服に袖を通して髪を軽く巻く。
自分が一番好きな薄ピンクの口紅を塗って鏡の前でニコッと笑顔の練習。
「よし、完璧っ!!」
そして私は元気よく家を出た。
…その日は雨だった。
いつも晴れなのに…。
「傘どこかにあったかな?」
私は皆から「晴れ女」と呼ばれている。
正直私もそうだと思っていた。
なのに今日雨って…。
なんかテンション下がるな〜。
滅多に雨が降らないから傘をどこに置いたかなんてわからない。
「せっかく起きれてたのに遅刻しちゃう〜!」
なんとか傘を見つけて私は猛スピードで学校に向かった。
「転校生を紹介しまーす」
「えっと今日からこのクラスにお世話になる晴山海心(はれやまみこ)です!はやく皆と仲良くなれるように頑張るのでよろしくお願いします!」
よし、自己紹介はたぶん完璧っ!