雨女の雨野さんは忘れっぽい

番外編 雨女の雨野さん

雨野さんside

私が雨女だとわかった日は小学6年生の修学旅行の時だった。
いつも学校の登下校は雨が降っていた。
いつものことだったから気にしてはいなかった。
私がお友達と遊ぶ約束した日。
私の卒業式や入学式。
私が遠足やお遊戯会などイベント行事。
それら全てが…いつも雨だった。
だからあの日もきっと雨が降る。
そう……思っていた。
けれど違かった。
風邪で私は修学旅行には行けなかった。
雨だから景色も綺麗ではないだろう。
そう思っていたのに…。
晴れていた。
風邪が治ってから学校に行くとお友達やクラスメイトなどが口々に言っていた。
『とても綺麗だった』
『晴れの行事なんて初めて』
と…そう言っていた。
その時、私は気づきました。
私がいると雨が降る。
私がいない時は晴れなんだ…ということに。
私は気づいたのです。
だから私はお友達と遊ぶ約束をするのが怖くてお友達の笑顔を奪うことができなかった。
だから私は1人でいることを選びました。
< 18 / 20 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop