雨女の雨野さんは忘れっぽい
いつも1人でいるようになりました。
最初は苦しくて辛かったです。
だけど少しずつそんな感情はなくなりました。
高校に入っても1人でした。
お友達なんてできませんでした。
皆、なぜか私に声をかけることはそんなにありませんでした。
ほっとしたような…モヤモヤするような、複雑な感情でした。
そんなある日のことでした。
1人のクラスメイトが私に声をかけてくれて、一緒に朝、お喋りするのが日課になったのは…。
「雨野さん」
その日から私は毎朝楽しみでした。
雨が強くてその雨のせいは私なのだと話しても彼は…伊般さんは離れることはありませんでした。
毎朝大変なのに私より少し早く着いて、いつも昇降口で「おはようございます」ってそう言ってくれます。
それが私はとても嬉しくて仕方ありませんでした。
彼の質問にも答えるようになりました。
私のことを知りたがっているんだと思ったらとても嬉しくなりました。
転校生の晴山さんも私のお友達になりました。
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