雨女の雨野さんは忘れっぽい
いつも見すぎてしまうからな…。
視線が気になるよな。
気をつけないと…。
気を引き締めていると雨野さんをポツリと零す。
「私が…窓の外を眺めるのは…雨が早くやめばいいのに…そう思うからです」
そう話す雨野さんは窓の外を…雨が降る外を見つめていた。
そんな雨野さんの表情はとても……悲しそうで泣きそうだった。
「雨野さ…」
「それでさ〜」
僕が雨野さんに声をかけようとした同時くらいに教室の扉が開いた。
「ねぇ、放課後スタべ行こ!」
「いいよ〜」
僕と雨野さんのこの時間は誰も知らない。
話しているとは誰も知らない。
誰かが来たらこの時間が終わってしまう。
「……」
雨野さんの考えていることは時々わからないことがある。
…基本わからないことだらけだ。
それでも…。
雨野さんが僕に背を向ける時が一番…わからない。
それが酷く僕の胸を締め付ける。
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