ゼニスブルーの交差点




「今からうちに、帰れるんだな」

「そう、うちだね」

「だなっ」

 こんなに外は寒くて吐く息も白いのに、気持ちがふんわり柔らかくて、冷たさを雪解けのように溶かしていく。

 でこぼこの私たちは、おかしく見えることもあるかもしれない。

 自分よりも小さかった朝貴が身長を越し、いつの間にか私を見下ろすようになった。 




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