ゼニスブルーの交差点
『エピローグ』
──朝、目が覚めると温かな朝貴の胸の中にいた。
小鳥の声がぴちぴち響く、静かな冬の朝。
朝貴の心臓が動く音を聞いていると、すぐに眠くなってしまって、いつの間にか眠りに落ちている。
「……朝貴」
聞こえないはずの声なのに、いつも私の声に気づく朝貴は、抱きしめたまま寝ぼけて背中を撫でてくれた。
そうなると心地良くて、再び眠気が襲ってくる。
「……朝貴」
眠りに落ちる寸前に名前を呼ぶと、再び眠っているはずの朝貴が、背中を撫でてくれた。
どんなに小さな声でも気づいてくれて、優しく包み込んでくれる。