ゼニスブルーの交差点
第三章 『心に触れる言葉』
~合原 朝貴~
一年を通して、実質しっかり梅雨と言える期間はそうは長くはないのだが、この一・二ヶ月は、毎年やけに気持ちがグダグダになってしまう。
窓を開けた廊下はやけに湿っぽくなっており、二日に一回程の頻度で、滑っている生徒を見かけていた。
六月中旬に入る週明けは土砂降りの大雨で、自宅近くのバス停に立ちながらも、足元はすでにじゅっくり濡れていた。
いつも登下校は自転車だったり、バスだったり、その時の天気や何となく気持ちで選んでいたのだが、今日は自転車で突き進めるような天候ではない。