ゼニスブルーの交差点
そして振り返ると、やはり赤い傘を差したあさなが様子を伺っていて、隣に入れるよう身体を詰めると、あさなも傘を閉じて息苦しい車内に入り、やがて扉は閉まった。
濡れた前髪に触れようとすると、その動作の中であさなに触れるくらいの近さ。
こんな状況になったことがなく、ドッドッと鼓動が早くなり焦る。
身長的に、自分の胸辺りにあさなの顔があるから、この音を聞かれたらどうしよう……と冷や汗が出てしまう。